犬連れで北海道を旅したい!という楽しい妄想を膨らませるとき、どこに行こうかな、何を食べようかな、という問題もさることながら「どうやって行こうかな」という交通手段の選択は欠かせません。
交通手段を選ぶとき、かけられる費用と時間との兼ね合い、移動そのものの楽しさ、人間の数、犬の向き・不向きなど、要素はいろいろあると思います。
この記事では、WAN-VANLIFE目線で北海道旅にフェリー・飛行機・車で陸路を選んだ際のそれぞれの費用感・メリット・デメリットを比較してみました。
関東(横浜市)起点、夫婦+犬2頭、北海道で3泊するという想定での比較です
この記事はこんな人におすすめ
・犬連れで北海道旅行を計画したい
・北海道旅行の交通手段を迷っている
・さんふらわあ号の費用が気になる
・北海道まで自走する場合の費用や時間が気になる
交通手段比較の前提条件
北海道への交通手段として、フェリー・飛行機・陸路を自走の3つを比較するにあたり、以下のような前提条件を設定しました。
交通手段比較の前提条件
- 旅行者:大人2人+小型犬2頭
- 旅行日程:北海道で3泊
- レギュラーガソリン:160円/L
- 車の燃費:自家用車(ステップワゴン)12km/L、レンタカー15km/L
- 予約日:旅の2か月前
- 宿泊:自車移動の場合は、車中泊
- 食費・レジャー費:加算しない
ポイントは、くるま旅目線で「自分の車で北海道に上陸できるなら宿泊は車中泊」としたところです。また、食費やレジャー費は、どの交通手段で行っても必要な費用ですので除外しました。
ガソリン単価や、車の燃費はざっくりの数字です!
フェリー移動の費用感とメリット・デメリット
最初に、茨城県大洗港ー北海道苫小牧港間をフェリーさんふらわあ号で移動した場合です。
この場合、全体の費用と往復移動に必要な所要時間は・・・費用194,220円、移動時間45時間となりました。
フェリー移動の内訳
項目 | 費用 | 所要時間 | 内訳 | |
---|---|---|---|---|
① | 横浜-大洗港の高速代 | ¥4,880 | 2.5時間 | 高速代 |
② | 横浜-大洗港のガソリン | ¥2,130 | =160km/12km*160円 | |
③ | フェリー | ¥80,100 | 乗船前後 2.5時間 乗船 17.5時間 合計20時間 | ウィズペットルーム定価・B期間 ドライバー個室差額:¥11,300 同乗者個室料:¥21,600 ペット個室料:¥15,400 乗用車積載:¥31,800 |
④ | 道内での移動費用 | ¥10,000 | 道内で約800km走行すると 仮定した際のガソリン代 | |
⑤ | 宿泊費 | ¥0 | 車中泊 3泊 | |
⑥ | 宿泊関連費 | ¥10,000 | 日帰り温泉など | |
⑦ | 帰路の交通費 | ¥87,110 | 22.5時間 | ①+②+③ |
合計 | ¥194,220 | 45時間 | 所要時間は往復の移動時間のみ |
フェリー利用のメリット
フェリー利用のデメリット・注意点
フェリー利用の難所は、そもそも予約が争奪戦であることと、とにかく時間がかかることです。
乗船時間は17時間30分ですが、前後に乗船手続きがありますので拘束時間はもっと長くなります。結果的に、北海道での3泊する場合、前後のフェリーで2泊が必要なので全行程としては5泊6日の期間が必要です。
6日間のお休みをとるのが難しい場合は、北海道での宿泊日数を減らして調整する必要があります。
また、費用について、今回の比較では個室のウィズペットルームを利用する想定で19万円オーバーとなりました。もしクレートでのお留守番を苦にしないワンコであれば、ペットゲージ(3,000円/頭)を利用して人間はカプセルタイプの客室を選ぶと節約になりそうです。
一方、フェリーの個室で移動することの最大のメリットは、一度乗ってしまえば犬・人間とも体の負担や疲れがほとんどない状態で北海道に上陸できることです。自分の車に好きなだけ荷物を積んででかけることができますし、船内で犬たちと気兼ねなく過ごせます。当たり前の話ですが、船での移動中はガソリンも減りません。
北海道到着地の苫小牧は、富良野方面や洞爺湖方面への拠点としてまあまあ便利な場所と言えると思います。道北や道東を攻めたい場合は、日数を確保しておきたいところです。
フェリーは各種の割引やキャンペーンを適用できる場合があります。
私が利用した際は、就航50周年キャンペーン期間で定価80,100円のウィズペットルーム利用料が70,340円でした!
お金のことは分からないけど、船旅はエンターテイメントだったよ!
ドッグランで遊んでお部屋でゆっくりしていたら、すぐ着いたのよね
飛行機移動の費用感とメリット・デメリット
続いて、飛行機で羽田空港ー新千歳空港間を移動した場合です。現地ではレンタカーを借りる想定です。
この場合、全体の費用と往復移動に必要な所要時間は・・・費用213,636円、移動時間7時間となりました。
飛行機移動の内訳
項目 | 費用 | 所要時間 | 内訳 | |
---|---|---|---|---|
① | 横浜-羽田空港 | ¥728 | 0.5時間 | =¥364×2名 |
② | 羽田-新千歳 | ¥45,480 | 搭乗前後 2時間 フライト 1.5時間 合計3.5時間 | ヒト:=¥16,240×2名 犬:=¥6,500×2頭 ※ANAスーパーバリュー運賃 |
③ | レンタカー | ¥16,720 | タイムズレンタカー会員価格 新千歳空港発着 コンパクトカー指定 (1500ccクラス) 保険料別途 | |
④ | 道内での移動費用 | ¥8,500 | 道内で約800km走行すると 仮定した際のガソリン代 燃費15㎞で計算 | |
⑤ | 宿泊費 | ¥96,000 | ヒト:=¥15,000/泊×2名×3泊 犬:=¥1,000×2頭×3泊 | |
⑥ | 宿泊関連費 | ¥0 | ||
⑦ | 帰路の交通費 | ¥46,208 | 3.5時間 | ①+②+③ |
合計 | ¥213,636 | 7時間 | 所要時間は往復の移動時間のみ |
飛行機利用のメリット
飛行機利用のデメリット・注意点
飛行機を利用する場合のメリットは、なんといっても往復の移動時間が7時間程度に収まることです。フェリーや車で移動すると40時間以上かかるわけですから、この差は歴然です。
飛行機移動であれば、移動中の宿泊が不要になりますので道内で3泊するとしても全行程が3泊4日で収まります。実質の道内の観光時間は、フェリーや車で5泊6日かける場合とほとんど変わらないと思われます。
フライト時間によってはむしろ観光時間を多く確保できるかも?!
今回の比較では「北海道で3泊」を前提条件にしましたが、飛行機利用であれば2泊3日でも十分楽しい行程が組めそうです。道北や道東への旅行を検討する場合に、旭川空港や帯広空港、釧路空港など到着地を選べることもメリットと言えます。
注意点としては、まず犬がフライト慣れしているかどうか、という点。クレートトレーニングができている子であれば飛行機に乗せてもほとんど問題は起きないと思います。しかし、やはり不慣れな環境での緊張感があると思いますので、犬たちはそこそこ疲れた状態で旅先に到着するかも、ということを念頭に行程を組んでおいた方が安心です。
また、犬連れ旅の荷物は意外とかさばるもの。。。レンタカーを借りるにしても、犬そのものと大量の荷物をどうやって運ぶかというオペレーションは良く考えておいた方が良いかもしれません。また、ほとんどの場合、普段使っているドライブボックスやドライブベッドを持参できないことも要注意です。
私は現在の実家がある福岡県に犬連れでフライトすることがありますが、ほとんどの荷物をあらかじめ現地に郵送しています・・・
これまでの経験上、犬とフライトするときの移動当日の荷物は犬と財布と携帯くらいの覚悟で臨んでおくと通常レベルの行動が可能な印象です。
費用感については、現地でどのような宿泊先を確保するかで大きく変動すると思われます。今回の比較では「ペットと泊まれる宿」で平均的な大人15,000円/泊、ペット1,000円/泊で試算しました。宿泊先の選択や季節や曜日によってもっとリーズナブルな場合も、もっと費用がかかる場合もあると思います。
「お宿に泊まる」ことは車中泊とは違う楽しみがありますので、旅行日程をコンパクトにする分、奮発してワン達と高級ホテルに泊まる!というような選択も楽しそうです。
高級旅館でご飯を食べるのもいいねぇ!
陸路で自走の費用感とメリット・デメリット
最後に、北海道まで自家用車で陸路を移動した場合です。本州の移動は高速道路を利用し、青森ー函館間はフェリーを利用する想定です。
この場合、全体の費用と往復移動に必要な所要時間は・・・費用97,200円、移動時間47時間となりました。
自家用車移動の内訳
項目 | 費用 | 所要時間 | 内訳 | |
---|---|---|---|---|
① | 横浜-青森高速代 | ¥12,100 | 途中車中1泊で ETC深夜割引利用と想定 | |
② | 横浜-青森ガソリン代 | ¥9,800 | 走行9時間 休憩11時間 (車中泊込) | =735km/12km*160円 |
③ | 津軽海峡フェリー | ¥16,700 | 3.5時間 | 大人2名ビューシート指定席料金 +車両乗船料 |
④ | 道内での移動費用 | ¥10,000 | 道内で約800km走行すると 仮定した際のガソリン代 | |
⑤ | 宿泊費 | ¥0 | 車中泊 3泊 | |
⑥ | 宿泊関連費 | ¥10,000 | 日帰り温泉など | |
⑦ | 帰路の交通費 | ¥38,600 | 23.5時間 | ①+②+③ |
合計 | ¥97,200 | 47時間 | 所要時間は往復の移動時間のみ |
陸路利用のメリット
陸路利用のデメリット・注意点
自家用車で北海道まで行くことのメリットは、自由気ままさです。好きな時間に出発して、好きな場所で休憩し、好きなように走って、好きな場所で食事をとる、という素敵なノープランの旅が可能になります。
荷物も車にワサーっと積んでいけばOKですし、犬たちも普段のドライブや車中泊と同じ慣れた環境で過ごすことができます。
問題は所要時間と疲労です。
今回の比較では、北海道での3泊、前後の移動で2泊として全行程5泊6日の期間としました。移動の運転疲れもさることながら、連続5泊全てが車中泊となった場合どのくらい疲れが溜まるのか、を覚悟しておく必要がありそうです。
疲れ具合は自家用車の車種や車中泊への慣れ具合、運転好きかどうかによって変わってきそうです!
もちろん、全て車中泊とせず、途中でホテルや旅館に宿泊することを織り交ぜたり、本州の移動はノンストップで青森まで750㎞を一気に走破するという行程を検討することもできます。
交通費を安く抑えられる分、道内ではしっかりホテルや旅館で休憩する、というメリハリプランも楽しいかもしれません。また移動中の1泊をカウントせず一気に走ることができる状況なら、旅行期間をよりコンパクトにアレンジすることも可能です。
もうひとつの注意点としては、このプランの場合、北海道の到着地点が函館となることです。函館そのものは素晴らしい観光地ですが、いわゆる北海道旅の起点とするにはなかなか不便な場所であると思います。到着後に道内のどこを巡りたいかによっても、選ぶべき交通手段が変わってくるかもしれません。
まとめ フェリーvs飛行機vs車で陸路
犬連れで北海道に行く交通手段を3つの視点から考察してみた結果をまとめると、以下のような感じです。
フェリーvs飛行機vs車で陸路
フェリー | 飛行機 | 陸路 | |
---|---|---|---|
費用 | × 194,220円 | × 213,636円 | ◎ 97,200円 |
往復移動の 所要時間 | × 45時間 | ◎ 7時間 | × 47時間 |
移動時の快適性(人) | ◎ | 〇 | × |
移動時の快適性(犬) | ◎ | × | △ |
予約難易度 | × (予約しにくい) | 〇 (予約しやすい) | ◎ (予約不要) |
荷物の取り回し | 〇 | × | ◎ |
道内観光の利便性 | △ | 〇 | × |
交通手段比較の前提条件
- 旅行者:大人2人+小型犬2頭
- 旅行日程:北海道で3泊
- レギュラーガソリン:160円/L
- 車の燃費:自家用車(ステップワゴン)12km/L、レンタカー15km/L
- 予約日:旅の2か月前
- 宿泊:自車移動の場合は、車中泊
- 食費・レジャー費:加算しない
圧倒的にコンパクトな日程で効率よく道内観光できる手段は、やっぱり飛行機利用がダントツです。多少費用がかかるとしても「時は金也」であります。
他方、「犬連れ」を優先して楽しみたい場合や、時間に余裕がある場合は、犬にも人にもフレンドリーな移動手段として「フェリー」もおすすめの移動手段です。フェリー運賃は各種割引やキャンペーンを適用できる場合があり、私が利用した際は、就航50周年キャンペーン期間で定価80,100円のウィズペットルーム利用料が70,340円でした。
また、運転が好きな人なら「自家用車で陸路を行く」というのも自由度が高く、楽しい交通手段だと思います。
横浜ー青森間750㎞って、案外近い気もするわ。
しゃもちゃんたち、福岡まで1,000㎞走ってるからね。
往路と復路で別の交通手段を選択したり、車中泊とホテル泊を織り交ぜたり、予算に合わせてアレンジを考えるのも楽しいですね。
楽しくて安全な北海道旅行の参考になれば嬉しいです!